杉の棺
![]() | 杉の柩 (クリスティ文庫) (2004/05/14) アガサ・クリスティー 商品詳細を見る |
婚約中のロディーとエリノアの前に現われた薔薇のごときメアリイ。彼女の出現でロディーが心変わりをし、婚約は解消された。激しい憎悪がエリノアの心に湧き上がり、やがて彼女の作った食事を食べたメアリイが死んだ。犯人は私ではない!エリノアは否定するが…嫉妬に揺れる女心をポアロの調査が解き明かす。
内容(「BOOK」データベースより)
本館の本棚から再掲載。
法廷ものとしても楽しめるし、ちょっとした恋愛小説としても、楽しめる一冊。
女は、愛するよりも、愛された方が幸せになれるのかなあ、と読み終わった後に、しみじみ考えてしまった。
もちろん、主人公(被告人?)のエリノアのことなんだけれど、『ナイルに死す』のジャッキーといい、この人といい、激しい愛を抱く女は、なかなか幸せになっていないのは、なぜだろう?
まあ、エリノアについては、これから幸せになれそうな終わり方だったので、まだ救われるんですが、ジャッキーなんて、愛する相手も自分すらも無にしてしまったくらいだから。クリスティー作品以外にも、愛する側の女で不幸まっしぐらな登場人物は、けっこういるような気がしますね。幸せな思い出よりも、悲しい思い出の方が、記憶に残りやすいからなあ。
女の幸せを考えるには、ディープな時間帯の午前3時半・・・。相変わらず、眠れぬ夜を持て余し、本を読んで、さらにこうやって感想文をせっせと書いている私は、ある意味幸せなんだと思いたい。
話自体は、シンプルというか、逆転裁判もの(?)。状況証拠やら、心証やら、全ての事柄が、犯人はエリノアだと指差している中、我らが名探偵ポアロが全ての不利な証拠をひっくり返していく・・・という話。
婚約者には心変わりをされ、婚約者の心を奪った女を殺したと思われ、さらには遺産目当てで叔母をも殺したと疑われ、限りなく黒に近いグレーから、どうやって純白に持っていくか、ポアロ(読み手)の手腕が問われる読み応えのある話でしたね。さりげなく、序盤から最終まで、ヒントがちりばめられているので、真犯人に辿り着くのも難しくはなかったです。
これも、ありがちな莫大な遺産目当て。動機目的が、金、愛憎、秘密死守・・・最近、そんなんばっかりな気がする。ただ、現実として、最近は動機がなんだかはっきりしない事件が多いのを考えると、複雑です。一応、推理小説だから、動機目的がはっきりしていないと、話にならないっていうのも一つあると思いますが、これからそういう本が増えるのかなあ。
さて、メアリイに一目惚れして、あっさりとエリノアとの婚約を解消したのに、まだエリノアを愛しているだの、そんなにメアリイのことを愛していなかった、などとぬかすような、どっちつかずで、都合のいい男は、私だったら、願い下げだ。しかも、借金もかなりある・・・なんて、御免被ります。エリノアと切れるなら、すっぱり切れる潔い男だったら、もうちょっと見直してやってもよかったんだけどなあ。窮地に追い込まれた元婚約者を、まるで助けようとしないんだから、仕方ないような。
久々に、ダメ男の典型を見た気がしました。
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もちろん、主人公(被告人?)のエリノアのことなんだけれど、『ナイルに死す』のジャッキーといい、この人といい、激しい愛を抱く女は、なかなか幸せになっていないのは、なぜだろう?
まあ、エリノアについては、これから幸せになれそうな終わり方だったので、まだ救われるんですが、ジャッキーなんて、愛する相手も自分すらも無にしてしまったくらいだから。クリスティー作品以外にも、愛する側の女で不幸まっしぐらな登場人物は、けっこういるような気がしますね。幸せな思い出よりも、悲しい思い出の方が、記憶に残りやすいからなあ。
女の幸せを考えるには、ディープな時間帯の午前3時半・・・。相変わらず、眠れぬ夜を持て余し、本を読んで、さらにこうやって感想文をせっせと書いている私は、ある意味幸せなんだと思いたい。
話自体は、シンプルというか、逆転裁判もの(?)。状況証拠やら、心証やら、全ての事柄が、犯人はエリノアだと指差している中、我らが名探偵ポアロが全ての不利な証拠をひっくり返していく・・・という話。
婚約者には心変わりをされ、婚約者の心を奪った女を殺したと思われ、さらには遺産目当てで叔母をも殺したと疑われ、限りなく黒に近いグレーから、どうやって純白に持っていくか、ポアロ(読み手)の手腕が問われる読み応えのある話でしたね。さりげなく、序盤から最終まで、ヒントがちりばめられているので、真犯人に辿り着くのも難しくはなかったです。
これも、ありがちな莫大な遺産目当て。動機目的が、金、愛憎、秘密死守・・・最近、そんなんばっかりな気がする。ただ、現実として、最近は動機がなんだかはっきりしない事件が多いのを考えると、複雑です。一応、推理小説だから、動機目的がはっきりしていないと、話にならないっていうのも一つあると思いますが、これからそういう本が増えるのかなあ。
さて、メアリイに一目惚れして、あっさりとエリノアとの婚約を解消したのに、まだエリノアを愛しているだの、そんなにメアリイのことを愛していなかった、などとぬかすような、どっちつかずで、都合のいい男は、私だったら、願い下げだ。しかも、借金もかなりある・・・なんて、御免被ります。エリノアと切れるなら、すっぱり切れる潔い男だったら、もうちょっと見直してやってもよかったんだけどなあ。窮地に追い込まれた元婚約者を、まるで助けようとしないんだから、仕方ないような。
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