この道を行けばどうなるものか…迷わず行ってみよう!! 
 
 
 

NかMか

NかMか (クリスティー文庫)NかMか (クリスティー文庫)
(2004/04/16)
アガサ・クリスティー

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本館の本棚から再掲載。
秘密機関から20年ほど経っていますが、相変わらず好奇心旺盛で行動力抜群の二人です。
トミー&タペンスシリーズの2作目。彼らのデビュー作『秘密機関』から、20年後くらいの話で、青年冒険家商会のイメージは全くなく、すっかり中年冒険家になっていたので、戸惑いました。最初に、登場人物の欄を見て、「え!?もう子供が二人もいる〜」とビックリしましたが、本編でトミーの年齢が明らかになったところで、もう一度ビックリです。78歳くらいまで活躍するということなので、今から『運命の裏木戸』を読むのが楽しみになってきました。

今回もスパイものでした。第二次世界大戦中、失業中のベレズフォード夫妻が、再び就職活動をするところから始まります。前回の冒険を語りながら、年を取った二人が世の中に必要とされていないことに対して、不平不満を言うくだりは、なんだか共感してしまいました。自分の存在価値に自信をなくす気持ちはわかりますからね。

ベレズフォード夫妻のことを、「ミスター・カーター」から聞いたある人物が訪ねてきて、トミーにだけ依頼をしますが、除け者にされたタペンスが黙っているはずもなく、ちょっとコメディっぽくて笑ってしまいました。前作でチョイ役だと思っていた意外な登場人物も出てきたり、「あ〜、あの人か」と思い出しながら読め、楽しかったです。

ドイツに内通しているイギリス側の人間を捜し出すこと、ドイツの諜報部員をつきとめること。ベレズフォード夫妻は、怪しいと思われるゲストハウスに潜入し、それぞれ活動を開始します。
前作から20年経っているということで、タペンスの心理的な描写の中に、子供を持つ母親の考え方がしっかり根付いていて、タペンスの口から母親の言葉がいくつか出てくるんですが、戦時という時代背景と重なって、クリスティーが語りかけているような気がするんですよね。敵国の人間に対する共感の気持ちとかも。これは、クリスティーが経験したことなのかもしれませんね。

トミーの偶然のお手柄で、こいつが黒幕だ!!というのは明らかになるんですが、味方だと思われていた人物の裏切りによるタペンスの危機、最後の最後まで、「NかMは誰なのか?」というひっぱりに、ハラハラドキドキしました。ミステリなんですけれど、冒険色の方が強いし、『秘密機関』時同様、テンポがいいので、後半は読むスピードが加速しました。果たして、トミーとタペンスはイギリスをドイツの総攻撃から救えるのか!?

・・・映画の宣伝みたいになってしまった。

今回も、事件が終わって、相変わらずのおしどりぶりだったんですが、「無憂荘」でタペンスに懐いていたベティを養女に引き取るあたり、なんだか微笑ましくなってしまいました。この子供が、次回、どんな風に育っているのか、出てくるのかな〜と期待しちゃったりして。ベレズフォード夫妻がラブラブなのは、「吊り橋ドキドキ理論」に基づいているのかなと考えたり、けっこう、このシリーズが好きになってきました。



    


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