回転木馬/柴田よしき
![]() | 回転木馬 (2007/03/13) 柴田 よしき 商品詳細を見る |
最近読んだ本です。
お堀に囲まれた県庁のあるまち(「街」という字は当てはまらないので、あえてひらがなで)が登場し、びっくりしました。
『観覧車』の続編にあたる本作。前作では、夫・貴之の失踪から7年後までのお話でしたが、いきなり、11年後になってます。そう、あれから4年経っていて、唯はまだ夫を捜しているのです。佐渡で夫によく似た男を目撃したという、細くか弱い糸を必死に手繰り寄せ…。ここまで来ると、健気なのか、意地なのか、わからなくなってきますが、とにかく失踪から11年経っても、唯は夫を捜していたのです。
ただ、前作とは異なり、唯以外の目線で語られる章もあったりして、「続き」を期待して手に取った自分には、読み始めて違和感だらけ。いきなり、愛人の立場で、愛人と妻について考えたり、回想したり、貴之はどこへ行ってしまったんだろうかと、戸惑います。あとがきでも、柴田さんが書いていますが、夫を捜す過程で関わることになった女たちの物語でもあるということで、夫の失踪の謎が明らかになりつつも、唯の気持ちの変化だったり、言美の生きる目的の変化だったりと、内容が盛りだくさんな気がします。
失踪の真相と、なぜ、夫は生きているのに姿を現さないのか、という問いには、早い段階で明らかになるんですが、雪という女には、ちょっと反感を抱きました。唯や貴之の生活を壊しておきながら、一人でいたくないからなのか、貴之に惚れてしまったのかはわからないけれど、その後も彼を離さず、貴之が逃げないように子供までしっかりと産んでしまう計算高さ、そして、自分のやったことを反省しているといいながら、死ぬまで貴之を手放さない身勝手さ。
雪については、あまり詳細な事情はわからなくて、最後の手紙でしか推測できないんですけれど、彼女には彼女なりの事情があったにせよ、こいつが諸悪の根源だったんだよなと思うと、やっぱり、嫌な女だし、それに縛られて彼女と子供を守るんだと誓った貴之も貴之だし、なんかもっと他にやりようがなかったんじゃないかとも思うし、唯もさっさと貴之の失踪宣告でもなんでもすればよかったんだと、自分の中で八つ当たりしたり。
いろんな人間の、いろんな思惑が絡まって、こんがらがって、それぞれの不幸な自分に酔っている図が、頭に浮かんできて、なんで自分はこの本を読んでいるんだろうと思ったりもした。
正式に結婚しているってことが、こんなにも偉いことなんだろうかと、疑わしく思ったりもした。唯が、戸籍の上での妻であることを、意地悪く振りかざす場面が、なんか嫌でした。やっぱり、11年という歳月は重い。重過ぎる。
11年間で変わらなかったもの、電話番号、名前。それだけ。季節は巡り巡っていくけれど、同じ冬は二度となく、同じ春も二度と来ない。それだけのこと。なんの約束もなく10年以上もじっと待っているなんて、自分にはできないだろうな。たった2年の遠距離恋愛もきつかったからな〜。早く楽になりたくて、楽な道をとっとと選ぶだろうな。
安易に楽な道を選ばなかった唯は、強いのかもしれないし、弱いのかもしれない。・・・いや、弱くなって、初めて強くなったのかな。
言美の存在も言葉もいろいろ考えるところがありましたが、実際にあったある事件を連想させられ、素直に読むことができず…。彼女だけで1冊本ができてしまうくらいの濃さ、そして、死刑についての考えなど、『Zの悲劇』で感じたような違和感もあったりで、彼女の存在意義について考えてしまった昼下がり。
蛇足ですが…
福井って、実は京都のお隣なんですよ。実際に嶺北(れいほく)地方で生活していると、意識しないんですが、こうやって改めて地図を見ると、京都と接しているんですよね。京都に海があるってことと同じくらい、たまに思い出してびっくりする自分です。
作中に出てきた人物の言葉が、福井弁とは違くて、過剰に期待していた自分は、なぜかがっかりしてしまいました。その人物が純粋に福井の生まれかどうかも、定かじゃないのにね。
福井に住み始めて6年、なんだかんだ文句を言いながら、福井に愛着が湧いてきたのを意識してしまった本でした。
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ただ、前作とは異なり、唯以外の目線で語られる章もあったりして、「続き」を期待して手に取った自分には、読み始めて違和感だらけ。いきなり、愛人の立場で、愛人と妻について考えたり、回想したり、貴之はどこへ行ってしまったんだろうかと、戸惑います。あとがきでも、柴田さんが書いていますが、夫を捜す過程で関わることになった女たちの物語でもあるということで、夫の失踪の謎が明らかになりつつも、唯の気持ちの変化だったり、言美の生きる目的の変化だったりと、内容が盛りだくさんな気がします。
失踪の真相と、なぜ、夫は生きているのに姿を現さないのか、という問いには、早い段階で明らかになるんですが、雪という女には、ちょっと反感を抱きました。唯や貴之の生活を壊しておきながら、一人でいたくないからなのか、貴之に惚れてしまったのかはわからないけれど、その後も彼を離さず、貴之が逃げないように子供までしっかりと産んでしまう計算高さ、そして、自分のやったことを反省しているといいながら、死ぬまで貴之を手放さない身勝手さ。
雪については、あまり詳細な事情はわからなくて、最後の手紙でしか推測できないんですけれど、彼女には彼女なりの事情があったにせよ、こいつが諸悪の根源だったんだよなと思うと、やっぱり、嫌な女だし、それに縛られて彼女と子供を守るんだと誓った貴之も貴之だし、なんかもっと他にやりようがなかったんじゃないかとも思うし、唯もさっさと貴之の失踪宣告でもなんでもすればよかったんだと、自分の中で八つ当たりしたり。
いろんな人間の、いろんな思惑が絡まって、こんがらがって、それぞれの不幸な自分に酔っている図が、頭に浮かんできて、なんで自分はこの本を読んでいるんだろうと思ったりもした。
正式に結婚しているってことが、こんなにも偉いことなんだろうかと、疑わしく思ったりもした。唯が、戸籍の上での妻であることを、意地悪く振りかざす場面が、なんか嫌でした。やっぱり、11年という歳月は重い。重過ぎる。
11年間で変わらなかったもの、電話番号、名前。それだけ。季節は巡り巡っていくけれど、同じ冬は二度となく、同じ春も二度と来ない。それだけのこと。なんの約束もなく10年以上もじっと待っているなんて、自分にはできないだろうな。たった2年の遠距離恋愛もきつかったからな〜。早く楽になりたくて、楽な道をとっとと選ぶだろうな。
安易に楽な道を選ばなかった唯は、強いのかもしれないし、弱いのかもしれない。・・・いや、弱くなって、初めて強くなったのかな。
言美の存在も言葉もいろいろ考えるところがありましたが、実際にあったある事件を連想させられ、素直に読むことができず…。彼女だけで1冊本ができてしまうくらいの濃さ、そして、死刑についての考えなど、『Zの悲劇』で感じたような違和感もあったりで、彼女の存在意義について考えてしまった昼下がり。
蛇足ですが…
福井って、実は京都のお隣なんですよ。実際に嶺北(れいほく)地方で生活していると、意識しないんですが、こうやって改めて地図を見ると、京都と接しているんですよね。京都に海があるってことと同じくらい、たまに思い出してびっくりする自分です。
作中に出てきた人物の言葉が、福井弁とは違くて、過剰に期待していた自分は、なぜかがっかりしてしまいました。その人物が純粋に福井の生まれかどうかも、定かじゃないのにね。
福井に住み始めて6年、なんだかんだ文句を言いながら、福井に愛着が湧いてきたのを意識してしまった本でした。
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Tag : 柴田よしき

















