なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?
![]() | なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) (2004/03) アガサ クリスティー 商品詳細を見る |
牧師の息子ボビイは、ゴルフの最中に崖下に転落した瀕死の男を発見した。男はわずかに意識を取り戻すと、ボビイに一言だけ告げて、息を引き取った。「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」―幼なじみのお転婆娘フランキーとともに謎の言葉の意味を追うボビイ。若い男女のユーモアあふれる縦横無尽の大活躍。
内容(「BOOK」データベースより)
本館の本棚から再掲載。
こちらの方が、『ゴルフ場殺人事件』というタイトルがピッタリな気がしましたが…。
タイトルからして謎ですよね。しかも、その言葉がある男の最期の言葉だっていうんですから、さらに謎。「エヴァンズって誰!?誰なの???」って思いながら、なかなかその正体も意味も分からず、やきもきしながら読みましたよ。
最初は、この本こそゴルフ場殺人事件っていうタイトルがピッタリだよなって思ってました。だって、ちゃんと場面がゴルフ場だし、登場人物もゴルフをしてるし。どこかの探偵みたいに、ゴルフを全くしないってこともなく、ゴルフ用語も飛び交い、こっちの方が『ゴルフ場』だよってぶつぶつ思っていたのですよ。
でも、終わってから、やっぱりタイトルは『なぜエヴァンズに頼まなかったのか』で正解だと納得しました。本のタイトルと、最初の書き出しってとても難しいと思うのですが、クリスティーはいつも的確な言葉を選んでいるから素敵です。
タイトルについての感想はこのくらいで、本題に入ります。
え〜、好みの問題と言われたらそれまでですが、シリーズものを読んできた私には、なかなか…。
牧師館の四男坊と、伯爵令嬢のコンビが、現実離れしているような気がして、慣れるのに時間がかかってしまいました。イギリスというお国柄なのでしょうかね、貴族と平民が幼馴染みっていう設定がわからないんですよ。日本だったら、どうなんだろうって。その設定も現実離れしていると思うのに、その二人がコンビになって、探偵ごっこを始めるんですよ。私の頭の中のイメージは、少年探偵団・・・。
ボビィが偶然巻き込まれ、自分でも知らない間に、事件の鍵を知ってしまったというきっかけがあっても、その事件を解決しようとやっきになるお姫さま(フランキー)の行動力にビックリです。ポアロやマープルものにない展開で、このコンビにハラハラさせられっぱなし。
事件の全貌が遠くで霞んで見える蜃気楼のように、あやふやで、自分がどこに連れてこられてしまったのかわからない感じで、ページがなかなか進みませんでした。実際、読む時間もかかった訳で。やっと、私のエンジンがかかったのは、三分のニくらい進んだところくらいでした。そこまでは、フランキーの探偵ごっこ(←失礼?)が主で、フランキー目線で話が進むことが多くて、面白くなかったんですよね。でも、逆にポアロシリーズを読み慣れていると、フランキーの危なっかしさが気になって、その言葉を鵜呑みにできなかったりするんですが、それはヘイスティングズのおかげなのでしょうか。
話がそれた。とにかく、捜査について全くの素人の二人なので、犯人にシッポをつかまれやしないかと心配になってしまいました。だから、朧げに事件の全体が見え始めた時の嬉しさは、言い表せませんよ。
当初、ボビィとフランキーのコンビが怪しいと睨んでいたロジャーから、疑惑がニコルソン博士へ移ったり、また、その疑惑が違う人物に移り、読み手はいろいろな人物に対する疑惑を刷り込まれて、衝撃のラスト!!冷静に読んで、普通 に考えていたら、そんなことには引っかからないはずなのに、またしても、クリスティーにしてやられました。とにかく怪しすぎる人物が多すぎる。
あれ、推理小説なんだから当たり前か。クリスティーの本って、純粋な推理小説とちょっと違う雰囲気のある作品が多いので、すっかりそちらに気をとられていました。だから、なかなかページが進まなかったんだ。
この本には、テーマがない。わかった。そうだったんだ。最後の犯人の手紙をまるまる読んだけど、その動機にもテーマがないんですよ(目的はあったけど)。
ああ、そうか(一人で納得する私)。『そして誰もいなくなった』を読んだ後だから、ことさら身に染みます。悪いことをする人間には、必ずそれなりの理由やテーマがあると思っていましたが、そういう人間だけじゃないっていうことを(深読みして)テーマにしているんじゃないでしょうか。この話の犯人にイメージが近いのは、『エッジウェア卿』の犯人かな。
あ〜、そう考えると、面白かったのかな。なんだか、一人で納得して満足していますが、これがこの本の感想です。
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最初は、この本こそゴルフ場殺人事件っていうタイトルがピッタリだよなって思ってました。だって、ちゃんと場面がゴルフ場だし、登場人物もゴルフをしてるし。どこかの探偵みたいに、ゴルフを全くしないってこともなく、ゴルフ用語も飛び交い、こっちの方が『ゴルフ場』だよってぶつぶつ思っていたのですよ。
でも、終わってから、やっぱりタイトルは『なぜエヴァンズに頼まなかったのか』で正解だと納得しました。本のタイトルと、最初の書き出しってとても難しいと思うのですが、クリスティーはいつも的確な言葉を選んでいるから素敵です。
タイトルについての感想はこのくらいで、本題に入ります。
え〜、好みの問題と言われたらそれまでですが、シリーズものを読んできた私には、なかなか…。
牧師館の四男坊と、伯爵令嬢のコンビが、現実離れしているような気がして、慣れるのに時間がかかってしまいました。イギリスというお国柄なのでしょうかね、貴族と平民が幼馴染みっていう設定がわからないんですよ。日本だったら、どうなんだろうって。その設定も現実離れしていると思うのに、その二人がコンビになって、探偵ごっこを始めるんですよ。私の頭の中のイメージは、少年探偵団・・・。
ボビィが偶然巻き込まれ、自分でも知らない間に、事件の鍵を知ってしまったというきっかけがあっても、その事件を解決しようとやっきになるお姫さま(フランキー)の行動力にビックリです。ポアロやマープルものにない展開で、このコンビにハラハラさせられっぱなし。
事件の全貌が遠くで霞んで見える蜃気楼のように、あやふやで、自分がどこに連れてこられてしまったのかわからない感じで、ページがなかなか進みませんでした。実際、読む時間もかかった訳で。やっと、私のエンジンがかかったのは、三分のニくらい進んだところくらいでした。そこまでは、フランキーの探偵ごっこ(←失礼?)が主で、フランキー目線で話が進むことが多くて、面白くなかったんですよね。でも、逆にポアロシリーズを読み慣れていると、フランキーの危なっかしさが気になって、その言葉を鵜呑みにできなかったりするんですが、それはヘイスティングズのおかげなのでしょうか。
話がそれた。とにかく、捜査について全くの素人の二人なので、犯人にシッポをつかまれやしないかと心配になってしまいました。だから、朧げに事件の全体が見え始めた時の嬉しさは、言い表せませんよ。
当初、ボビィとフランキーのコンビが怪しいと睨んでいたロジャーから、疑惑がニコルソン博士へ移ったり、また、その疑惑が違う人物に移り、読み手はいろいろな人物に対する疑惑を刷り込まれて、衝撃のラスト!!冷静に読んで、普通 に考えていたら、そんなことには引っかからないはずなのに、またしても、クリスティーにしてやられました。とにかく怪しすぎる人物が多すぎる。
あれ、推理小説なんだから当たり前か。クリスティーの本って、純粋な推理小説とちょっと違う雰囲気のある作品が多いので、すっかりそちらに気をとられていました。だから、なかなかページが進まなかったんだ。
この本には、テーマがない。わかった。そうだったんだ。最後の犯人の手紙をまるまる読んだけど、その動機にもテーマがないんですよ(目的はあったけど)。
ああ、そうか(一人で納得する私)。『そして誰もいなくなった』を読んだ後だから、ことさら身に染みます。悪いことをする人間には、必ずそれなりの理由やテーマがあると思っていましたが、そういう人間だけじゃないっていうことを(深読みして)テーマにしているんじゃないでしょうか。この話の犯人にイメージが近いのは、『エッジウェア卿』の犯人かな。
あ〜、そう考えると、面白かったのかな。なんだか、一人で納得して満足していますが、これがこの本の感想です。
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Tag : クリスティー文庫 アガサ・クリスティー
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