葬儀を終えて
![]() | 葬儀を終えて (クリスティー文庫) (2003/11/11) アガサ・クリスティー 商品詳細を見る |
リチャードは殺されたんじゃなかったの―アバネシー家の当主リチャードの葬儀が終わり、その遺言公開の席上、末の妹のコーラが無邪気に口にした言葉。すべてはその一言がきっかけだったのか?翌日、コーラが惨殺死体で発見される。要請を受けて事件解決に乗り出したポアロが、一族の葛藤の中に見たものとは。
内容(「BOOK」データベースより)
久々に、がっつりクリスティーを読みました。
直接的なネタバレはありませんが、感想を読むと、内容を連想させてしまいそうなので、未読の方はご注意ください。
断片的にですが、ヒントがちりばめられていたのに、結局何も汲み取れないままの衝撃の真相に、長いはずの秋の夜が、あっと言う間に明け方になっていました。
巧妙に、「木を隠すなら森の中」を二重にも三重にも実践してあって、殺人を隠すなら殺人の中に、犯人を隠すなら容疑者たちの中に…。
リチャード・アバネシーの死で、得をする人物ばかりの中、彼らの一人一人が疑わしく、一体彼らのうちの誰なんだろうと思いながら読んでしまったのですが、クリスティーの張った罠は、すでに冒頭にあったんですね。毎回毎回、人間がいかに簡単に騙されるかを説いているんですが、毎回毎回、いとも簡単にひっかかる自分が恨めしい。
いいかげん、推理の手法として、裏付け捜査を覚えないといけないんですが、これが難しい。ポアロが、常に言っているんですが、「簡単に人の言うことを信じないこと、疑うこと」ということを徹底すると、今回の犯人に辿り着くと思います。読み返してみると、裏が取れない証言がいくつかあるんですね。その証言をした人物なんですが、とにかく、疑わしい人物満載なので、誰もが犯人たるに相応しく見えてしまって、大変です。
リチャードの後継候補だった3人の甥・姪ですが、ラストで姪の二人の明暗が分かれるところが、クリスティーらしい展開でした。ティモシー夫妻、スーザン夫妻、ロザムンド夫妻と、作中で3組の夫婦がそれぞれの結婚の形を描写していて、そのうちの姪夫婦2組を通して、結婚とは?夫婦とは?という問いかけを投げかけてくるんです。完璧な愛が夫を窒息させるという形が、どこか山岸凉子漫画にも通ずるところがあって、なかなか、深かったです。
そして、早くに夫を亡くし、再婚もしないで一人で生きてきたヘレンの孤独や葛藤も…。
クリスティーは、ただの推理小説というだけではなく、登場人物、特に女性の生き方を丁寧に描いていて、それが読み手にとっては魅力的に写るんですね。だから、他の推理作家と違って、自分の中で、クリスティーが特別な作家なんだなあと、改めて思った本でした。
巧妙に、「木を隠すなら森の中」を二重にも三重にも実践してあって、殺人を隠すなら殺人の中に、犯人を隠すなら容疑者たちの中に…。
リチャード・アバネシーの死で、得をする人物ばかりの中、彼らの一人一人が疑わしく、一体彼らのうちの誰なんだろうと思いながら読んでしまったのですが、クリスティーの張った罠は、すでに冒頭にあったんですね。毎回毎回、人間がいかに簡単に騙されるかを説いているんですが、毎回毎回、いとも簡単にひっかかる自分が恨めしい。
いいかげん、推理の手法として、裏付け捜査を覚えないといけないんですが、これが難しい。ポアロが、常に言っているんですが、「簡単に人の言うことを信じないこと、疑うこと」ということを徹底すると、今回の犯人に辿り着くと思います。読み返してみると、裏が取れない証言がいくつかあるんですね。その証言をした人物なんですが、とにかく、疑わしい人物満載なので、誰もが犯人たるに相応しく見えてしまって、大変です。
リチャードの後継候補だった3人の甥・姪ですが、ラストで姪の二人の明暗が分かれるところが、クリスティーらしい展開でした。ティモシー夫妻、スーザン夫妻、ロザムンド夫妻と、作中で3組の夫婦がそれぞれの結婚の形を描写していて、そのうちの姪夫婦2組を通して、結婚とは?夫婦とは?という問いかけを投げかけてくるんです。完璧な愛が夫を窒息させるという形が、どこか山岸凉子漫画にも通ずるところがあって、なかなか、深かったです。
そして、早くに夫を亡くし、再婚もしないで一人で生きてきたヘレンの孤独や葛藤も…。
クリスティーは、ただの推理小説というだけではなく、登場人物、特に女性の生き方を丁寧に描いていて、それが読み手にとっては魅力的に写るんですね。だから、他の推理作家と違って、自分の中で、クリスティーが特別な作家なんだなあと、改めて思った本でした。
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